明月荘 草笛の会

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2014年8月より。

鎌倉カレンダー2014年8月

JR北鎌倉駅から徒歩10分ほどの場所にある明月院の前を通り、さらに谷戸を進んだ明月谷の最奥に、明月荘があります。小さな木の門を入り、玉紫陽花の咲く細い道を上がっていくと、広い庭園の向こうに母屋と茶室が見えてきます。

昭和21年に実業家 石橋又義邸として建築された明月荘は、当時流行りだった洋館と和館双方を供えたスタイルで建てられ、住居として使われていました。現在の敷地規模は15000㎡弱、母屋の横に果樹園もある広大なもので、果樹園に残るバナナの木は、今でもわずかに花と実をつけるそうです。

その後マンション建設などによる開発を防ぐため、昭和46年に神奈川開発公社が取得しました。現在は県の所有となり、地域ボランティア団体によるお庭の手入れや、維持管理のために開催されるイベントに参加することで、敷地内を見ることができます。

こちらの明月荘で8月に行われた、草笛教室のイベントに参加しました。子どもたちに混ざってお庭で、竹を括りあわせ作ったような長い腰掛けに座り、草笛の吹き方を教わったり、草笛の演奏を聞かせて頂きました。

伺った時には緑鮮やかな青竹が見事で、子どもたちが座って草笛を吹く姿はフジタの絵を思わせて、素朴ながら趣きのある、楽しいイベントでした。

<絵/文 伊東雅江>

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