明王院 不動明王

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2014年12月より。

鎌倉カレンダー2014年12月

鎌倉駅東口から大刀洗行きのバスに乗り、泉水橋バス停で下車、進行方向にある泉水橋を渡り、金沢に通じる旧道を進み、ニツ橋という小さな橋を渡ると、山裾に明王院があります。鎌倉時代に将軍が直接指示し、山を切り崩して鬼門除けとして建てたお寺で、関東大震災の折に山崩れの被害の大きかった鎌倉でもこの場所は山崩れしなかったといいます。本堂にある不動明王像に惹かれ、お願いして描かせて頂きました。

このお像は鎌倉時代のもので、運慶の息子の定慶作と言われます。2012年に開催された鎌倉の密教をテーマに行われた国宝館の展覧会の時、文化庁の方に発見され、国の登録文化財に指定されたそうです。

不動明王像の牙を出した怒りのお顔はとても力強く、何を怒っておられるのですか、と副住職に伺うと、「母が子を危険から守る時に真剣に怒る、愛あふれる怒りの顔」とのお答えでした。本堂に上がらせて頂き、不動明王と向い合っていると、お寺の方が色々と気を配ってくださいました。優しい心遣いと不動明王のお話とで、心温まる思いでした。

<絵/文 伊東雅江>

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