画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2018年5月より。

長谷のバス通りから山側に曲がり、木立の中の石畳を進むと見えてくる、立派な鉄の門。鎌倉を代表する洋風建築、昭和11年築の旧前田侯爵別邸、鎌倉文学館の入口です。
以前にも建物のほうをカレンダーに登場させているのですが、今年は角度を変え、門を入り木漏れ日の中を進むと見えてくるトンネル「招鶴洞」を描きました。新緑の時期、洞窟入り口へ向かうこの雰囲気がとても素敵です。鑿の跡が残る薄暗いトンネルをくぐると、その先には、広い芝生の庭と、高台に建つ青いスペイン瓦の古い洋館。まるで別世界、といつも嬉しくなります。
三島由紀夫「春の雪」をはじめ様々な作品のモデルとなった、鎌倉の三大洋館の一つです。
<絵/文 伊東雅江>
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