盆踊り

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2013年8月より。

鎌倉カレンダー2013年8月

8月旧盆の頃、あちこちの神社で盆踊りが行われます。大塔宮(鎌倉宮)の盆踊りに誘っていただき、夕方に出かけました。大塔宮に着くと、ジャガバターやたこ焼きなど美味しそうな露店が並び、昔ながらの夏祭りの風情です。境内では櫓(やぐら)が組まれ、その上でおそろいの粋な浴衣を着た方々が舞っています。その周りを子どもたちも一緒に時計の針と反対周りに楽しそうに踊っていました。

流れていた盆踊りの音楽は、「鎌倉ソング」という、親しみやすいメロディーに乗せて鎌倉の魅力が歌われた曲です。「さくら貝の唄」の作曲家 八洲秀章氏と、彼と親しかった作詞家 和田隆夫氏が作った曲で、長く歌い継がれる鎌倉の愛唱歌を作ろうとお二人が取り組まれたものだそうで、八洲氏の遺作でもあります。見せていただいたカセットテープのパッケージには、横山隆一氏が描いた鎌倉の風景が使われていました。

この鎌倉の芸術家たちが遺してくれた文化を伝えようと、10年ほど前から盆踊りのグループ「雪舞の会」の方たちが市内のお祭りなどで「鎌倉ソング」を踊っておられます。そろいの浴衣は縁起の良い柄を選んでいて、最初はおかめとひょっとこ柄、今年新たに“のしめ”の柄のものを作ったそうです。

<絵/文 伊東雅江>

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