喫茶ハリウッド

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2018年6月より。

鎌倉カレンダー2018年6月

浄明寺のバス停近くに、築60年を超える小さな古い建物があります。物語を抱えていそうな雰囲気を持った絵になる一角です。この建物は以前、原節子さんに憧れて横浜から浄明寺へ住まいを移したという店主さんが営む“ハリウッド”という喫茶店でした。

鎌倉の作家 故 杉本睛子さんが書かれた「鎌倉夢幻」という小説は、この“喫茶ハリウッド”の店主の方の話からヒントを得たものだそうです。

「鎌倉夢幻」では、“喫茶ハリウッド”のたたずまいを
「長年の風雪に耐えてきたといわんばかりの小さな店が三軒、車の騒音などかかわりがないといった風情で、寄り添って建っていた。」
と、スケッチをするように、その場所の光景がありありと浮かび一緒に歩いているような気持ちになる、とても印象的な文章で書かれています。

<絵/文 伊東雅江>

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