東慶寺 イワタバコ

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2013年6月より。

鎌倉カレンダー2013年6月

6月の鎌倉はあじさい見物の人々でにぎわう季節ですが、初夏のこの時期に東慶寺に咲くイワガラミが見事だと聞き、友人と出かけました。

東慶寺はJR北鎌倉駅から鎌倉方面へ5分ほど歩いた場所にあります。イワガラミが咲いているのは普段は入れない本堂の裏で、花の時期のみ11時~12時の1時間特別公開されています。山門を入るともう大勢の人が並んでいました。順番に列に並び、本堂の軒下の欄干を裏に廻ると、崖を覆うように一面に手のひらほどの大きさの白い花がさいていました。一本の木から広がっているそうで、ガクアジサイのようですがユキノシタ科のつる性落葉樹だということでした(分類に関しては諸説あるようです)。

境内を歩くと、宝物館の前に朝顔が美しく丹精されていました。その奥の墓地へ向かい岩壁のくぼみに小さな仏様がおられて、その仏様を囲うように岩壁一面に青い星のようなイワタバコが可愛らしい花を咲かせていました。

参道の左手には花菖蒲の畑があって、花菖蒲を眺められる場所に白蓮舎という立札茶室が建っています。梅の見ごろと花菖蒲の花期のみお茶とお菓子の喫茶となっています。供されるのは「こまき」の生菓子とお抹茶で、花菖蒲を眺めながらいただきました。人が多い境内ですが、このお茶の席は静かで落ち着ける場所でした。

<絵/文 伊東雅江>

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