名越切通(国指定史跡)

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2021年4月より。

鎌倉カレンダー2021年4月

鎌倉と逗子の境目、鎌倉七口のひとつである名越の切通を、猿畑山法性寺の山門から歩いてみました。

名越の切通は、京都から鎌倉に向かう際に七里ガ浜・稲村ガ崎を迂回するルートで、今の六地蔵~由比ガ浜通り~下馬~大町~逗子~葉山~三浦半島という、鎌倉と三浦を結ぶ東海道の陸路の一部でした。

鎌倉七口の中でも特に古く、鎌倉時代に尾根を掘割して作られたと言われます。3つの狭い掘割があり、大きな岩(10m)の間の狭い道は幅1mほどで、一列にならないと歩けません。

この隘路について、以前には鎌倉幕府が敵の侵入を防ぐためと説明されていましたが、現地表から約60cm下にある江戸時代後半の切通しを近年発掘調査したところ、幅は現在より広く側溝も備えられた道であり、鎌倉時代の名越の切通が現在とは異なる様相であった可能性も指摘されています。

大きな苔むした岩の間や、大きな岩が道の真ん中にあったり、歩きにくい根の張り出したデコボコの山路、リョウメンシダに覆われた薄暗い路を歩いて宅地造成で失われた逗子側の団地に出ると、現代と鎌倉時代をタイムスリップしたような感じでした。

<絵/文 伊東雅江>

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