柘櫂(大町 大宝寺(だいほうじ))

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2021年10月より。

鎌倉カレンダー2021年10月

名越の十字路を左に折れて進み、また左に入る小道の先に、佐竹屋敷跡という石碑と大宝寺という日蓮宗のお寺があります。こちらの本堂に祀られている子育て鬼子母神をお参りしてきました。左手で赤子を抱き右手にザクロを持って赤い着物を頭から被っているお像でした。この鬼子母神という神様は、元は鬼であったそうです。

その昔千匹の鬼の子をもっている母鬼が、毎日子供たちに人間の肉を食べさせていた所、ある日子鬼の一匹がいなくなり、母鬼は気も狂わんばかりに探しましたがみつかりません。実は子鬼はお釈迦様が隠していたのでした。お釈迦様は母鬼に「人の子の肉ばかり食べさせて、いなくなった子の家族はとても悲しんでいる。これからは人間の肉の代わりに柘榴の実(人間の味に似ると言われる)を食べさせるように」と諭したところ、鬼子母神ば改心し子供を守る神様になったとされています。

初夏に鮮紅色の可愛い花が咲き、10月頃に赤い宝石のような実をつける柘榴は、鬼子母神ゆかりの果物なのですね。大宝寺の子育て鬼子母神の前にも、柘榴の実がお供えされていました。

<絵/文 伊東雅江>

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