御成小学校 旧講堂

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2020年5月より。

鎌倉カレンダー2020年5月

JR鎌倉駅西口から今小路に当たる紀伊国屋の角を左に曲がり少し進むと、右手に旧御用邸の冠木門を復元した御成小学校校門があり、門を入った左手に御成小の旧講堂が見えてきます。屋根の上に小さな塔屋が二つある伝統的和風の意匠を備えた木造の古い建物で、平成29(2017)年に登録有形文化財となりました。

この講堂は昭和12(1937)年5月2日に、ヘレン・ケラー女史が鎌倉で講演をしたときの会場でした。当時大きな話題となっていた女史の来日には当初鎌倉での公演予定はありませんでしたが、ハリス記念鎌倉幼稚園の園長であった白水萬里牧師が彼女の乗車する列車に乗り込んで直訴し、鎌倉訪問が実現しました。入場券はすぐに売り切れ、チケットにはプレミアまでついたそうです。講演日当日は鎌倉町をあげて熱烈に歓迎し、花束のほか鎌倉彫の宝石箱や5月に因んだ鯉の木彫りが贈られました。あいにくの雨にも関わらず1300人が座るための座布団を持って集まり、この日の講演「障害者の地位向上と援助協力」に熱心に耳を傾けたそうです。

<絵/文 伊東雅江>

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