丸ポスト | 鎌倉むかし物語

画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2013年4月より。

明王院へ行く途中にある泉水橋の交差点には、可愛らしい赤い丸ポストがあります。ある日通りかかるとそのポストにペンキを塗っていて、その情景を描きました。

鎌倉のあちこちで見るこの丸ポストは鎌倉局内に26個あるそうで、3.4年に一度はきれいにペンキを塗って手入れがなされているそうです。鎌倉の一景となっているこのポストは鉄製で、丸型というのは差し入れ口が小さく大型郵便物が入れにくい面もあるそうですが、大切に保存されて現役で使われています。長谷の力餅家さんの横や、大町の長勝寺前、極楽寺駅の前や、大御堂橋のたもと、浄智寺入口の角など、色々なところで見つかります。

右上に描いたはがきは、局によって絵柄が違う消印“風景印”が押してあります。その地域の風物を意匠化していて、窓口でお願いすると消印を風景印で押してもらえます。鎌倉市内には大仏さまや大船の観音さまの風影印などもあるようで、手紙を送るときにいろいろな局から送ったら楽しいですね。

＜絵／文　伊東雅江＞

四季折々の鎌倉らしい情景や古くてすてきな建物などを描く、伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」。

過去のカレンダーから、イラストと解説文（ミニエッセイ「かまくら茶話」）を転載しています。内容は発行当時のものです。