画家・伊東雅江さんの「鎌倉カレンダー」2014年1月より。
若宮大路にある鎌倉郵便局本局の横を東に向かった右側にある本覚寺で、毎年1月10日に行われる鎌倉えびすに行きました。紅白の提灯が飾られた裏門を入ると、その数倍ある「えびす神」と書かれた赤い提灯が下がり、普段は静かな参道が大勢の参拝者で賑わっています。様々な屋台が並ぶ中、菓山日影茶屋の出店では、鎌倉えびすの時限定の、夷様のお顔の焼き印を押したえびす大福を売っていました。
夷堂の所へ行くと、湯気の上がる釜の上に四角い蒸籠が7つも重ねてあり、この餅米で昼から福餅つきがはじまります。僧侶や福男、福娘が餅を搗き、餡やきな粉をまぶした福餅が参拝者に振る舞われるのです。お餅を頂く行列が、門の外まで長く続いていました。
夷堂の所のテントでは、本覚寺のお庭の鳳凰竹に、米俵や千両箱、鯛、打出の小槌、瓢箪などお宝が飾られた福笹も頒布され、「商売繁盛お祈り申し上げます」という福娘の高い声が境内に響いていました。
今年一年良い年でありますように。
<絵/文 伊東雅江>
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